これまで見てきた通り、臨床心理士は、さまざまな形で心に問題を抱える人を相手にしますので、臨床心理学に基づいた知識や能力はもちろんですが、コミュニケーション能力や人間性も重要視されます。

まず、クライアントの話を真剣に親身になって聞き、それぞれの悩みや問題に共感する姿勢が求められます。しかし、最初に説明した通り、臨床心理士の仕事は、問題を乗り越えるのを手助けしていくこと。クライアント自身で心の問題を解決できるよう導いていくのが仕事であり、決して、一緒に悩むということではありません。

クライアントとは適度に距離をとりつつ、冷静な視点も持ちながら、中立の立場で接しないと、クライアントに引きずりまわされることにもなりかねません。クライアント自身が持つ治癒力を信じて、サポートする姿勢が大切です。

心の病気というと、日本では、少なからず偏見のようなものがあるのが現実です。そんななか、思いきって相談に訪れたクライアントが、心の内側を打ち明けるには、信頼を得られるような人間性も必要ですよね。

とはいえ、このような部分は、すぐに身に付くものではありません。偉そうに書いている私も、決して、それらが身についているわけではありません。

でも、日々努力し模索するなかで、悩みつつも成長していけば、そういう力が身に付くのではないかと思っています。臨床心理士目指して勉強中の方は、一緒に頑張りましょう。



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